日本には『ファミドク(家庭医)』がいない!

「いいものばかり」とは

 

みなさん、ファミドクって、どこかで耳にしたことありますか?
ない。
やっぱり・・・。
メディアもあまり取り上げないから、みなさんが知らなくて当然かもしれません。

しかし、このファミドクがいないことが、今の日本の致命的な欠陥の1つ。
・・・と、僕は常々思っているんです。

ところで・・・、ファミドクとは?
実はベタで恐縮ですがファミリードクターのことなんです。

ではいったいファミドクとは、具体的にどんな医者か?
簡単に言うと・・・、みなさんが、心身に関して困ったり、不調を来したりした時に、なんでも診てくれたり、相談にのってくれる、なかなか使いがってのいい重宝な医者なんです。

ちょっとした救急の疾患も応急処置し、もちろんふつうの内科の病気も、消化器だけとか循環器だけとかケチなことを言わずにすべて診ることができ、その上、子ども(小児科)や妊婦も、そして、けがや骨折、さらに目や耳や鼻、皮膚・・・と、とりあえず広く(浅くはなりますが)なんでも診て、的確に対処します。
的確に対処するというのは、たとえば自分の手に負えない場合、速やかにしかるべく専門医(スペシャリスト)を紹介します(そういう道筋ができています)。
・・・もっとも実際には9割くらいは、ファミドクで対処できているようです。

あと、ファミドクによっては、食事やサプリメント、漢方薬、病気予防などの相談にも快く応じてくれます。
またこのファミドクは数人で連携して開業しているので、365日、ほぼ24時間アクセスができます。

みなさん、身近にこんなファミドクがいればどうでしょうか?
頼もしい限りだと思いませんか?
いざというときにも慌てたり迷ったりしなくていいんです。
まさに理想的なインフラだと私は考えています。

実はこのファミドク、私の妄想でも、絵にかいた餅でもないんです。
ヨーロッパ(オランダ、ドイツ・・・)をはじめ、台湾、シンガポール、そして昨今は韓国でも、着々とこの頼もしいファミドクを整備しつつあります。
理由は簡単です。
国民がそれを強く望んでいるからです。

では日本の場合は?
残念ながら、あまり進んでいません。
なぜ?
いろいろ理由がありますが・・・、
1つは、日本の医者のほとんどが専門医(狭く深く)になりたがるからです。
それは?
そのほうがカッコいいし、医者として格上だとみられているからです。
ファミドクだと大学の教授にもなれないし、大病院の院長にもなれません。
少々極端に言えば、ファミドクは専門医崩れだとみられているくらいなのです。
それじゃ日本の医者は誰も進んでファミドクになりたがりません。
しかもファミドクになれる道筋(研修コース)すら日本にはありません

2つには、日本国民はめっぽうおとなしくて、積極的にファミドクを希望しないし・・・。
3つには、医師会(実質は開業医の組合)も、ファミドクなんてとんでもないと猛反対するし・・・。
きっと自分の近くになんでも診ることのできるオールマイティが来られると困るからでしょう。

というようなヘンテコなお国事情がじゃまをしてか、日本の医療は遅々として改善されないんです。
あげくの果てに、『総合医』と言うような、理想のファミドクとはかけ離れた中途半端な妥協の産物でお茶を濁してしまいます。

ちなみにこのファミドク、あまりオーラを感じさせない名前なんですが、実際にはとってもなるのが難しいんです。
そらそうでしょう・・・、医者としてほぼオールマイティの実力を身に着けなければ務まりません。少なくとも数年は必死で修業(研修)しなくてはなりません。

僕にはむしろそっちのほうがよほどカッコいいと思えるのですが、みなさんはどう思われるでしょうか?

(文責:岡本裕)


「いいものばかり」とは