コーヒーはほんとに身体に悪いのか?

「いいものばかり」とは

コーヒーの功罪をめぐっては、洋の東西を問わず、今までに膨大な数の論文が発表されているが(暇だなぁと思ってしまう・・・失礼)、どうやら近々おおよその決着(軟着陸)がつきそうだ。

コーヒーとよく対比される緑茶については、胃がんや前立腺がんの発症リスクを低下させる(予防有効)ことはよく知られていて、「身体にいい」ということに、あまり異議を唱える人はいない(ほぼ決着済み)。

 

しかし、コーヒーについては、どちらかと言うと、刺激が強すぎる、胃に悪い、眠れなくなる・・・などのマイナスのイメージがつきまとうのか、「コーヒーは身体に悪い」と思いこんでいる人もけっこう多く、どうみても今のコーヒーへの評価は公平性に欠けると思う。
もっとコーヒーを評価してもいいというのが私の本音だ。

 その大きな(最大の)理由は、

コーヒーは緑茶以上に、がんの予防には有効と言える。

具体的には、肝臓がん、膵臓がん 大腸がん、子宮体がんにも予防効果がある。
肝臓がんと、大腸がんに限れば、頭のお固い厚生労働省(研究班発表)もそれを明言している。ただしそのために無理にコーヒーを飲む必要もないとも明言している(やっぱり固いかなぁ・・・(笑))
次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会における次期国民健康づくり運動に関する委員提出資料
・・・ちなみに全がんのリスクを減少させるという報告いくつかある。 (BMC Cancer.11:96,2011)

 

がんの発症リスクを低下させる1つの大きな要素は、コーヒーに豊富に含まれるファイトケミカル(クロロゲン酸をはじめとするポリフェノール類)とされる。その抗酸化作用やカフェインとの相乗効果などとが相俟って、がんだけでなく、糖尿病、炎症、動脈硬化、老化、認知症(アルツハイマー病)、うつ病などの病気のリスクを低減させると、多くの研究者が説くが、非常に納得できる。病気予防ではないが、リラックス効果、アロマ効果、ダイエット効果、シミの進行も抑える効果なども捨てがたい(カフェインの効果ももちろん含むが)。

ちなみに、身体にいいとされ、みなさんよくご承知のポリフェノール(類)だが、一番たくさん多く含む飲み物をご存じだろうか?
赤ワイン? 野菜ジュース? はたまた緑茶か?


いずれも的外れ、答えはコーヒーなのだ。(右図参照)

たぶんこの事実を知っている人は極めて少ないと思うので、挙げてみた。
飲み物 mg/100ml
コーヒー 200
緑茶 115
紅茶 102
赤ワイン 101
野菜ジュース 69
ココア 62
ウーロン茶 39
白ワイン 10
麦茶 9

(J Agric Food Chem.57(4):1253-9,2009)と(http://www.nature.com/)との資料から作成)

というようなわけで、結論としては、

コーヒーは

  • 嫌いな人があえて飲む必要はないかもしれないが・・・・
  • 嫌いでなければ、飲んでおいても決して損はない。
    (むしろ大いに得ではないかと私自身は思っている)
  • 3~5杯くらいなら毎日飲んでも大丈夫。

最後に少し注意点と余談を・・・、 
コーヒーは基本できるだけブラックで、
胃酸の分泌も促進するので逆流性食道炎の人は少し注意が必要、
妊婦さんは3杯くらいまでが無難。

ちなみに 一人当たりのコーヒー消費量は、日本は26位(フィンランドが第1位で4~5杯/日)で、だいたい1日に1杯弱。う~ん、これじゃポリフェノール不足になるのも無理ないかも。もう1つちなみに、日本人のポリフェノール摂取源の約半分はなんとコーヒーとか(お茶の水大、近藤和雄先生による)。だったらもっとコーヒーを飲まなくちゃ、と私なら思うが、みなさんはどう思うだろうか。

Dr.岡本文責:岡本裕


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