ファイトケミカル・・・クルクミン編


 

ウコンは、インド原産で紀元前から栽培されており、伝統医学のアーユルヴェーダやカレーなどのインド料理に使われてきました。

クルクミンは、秋ウコン(ターメリック)の根茎に多く含まれ、黄色い染料の原料としても広く用いられた有効成分(黄色い色素:ポリフェノール)です。

化学的にポリフェノールは、2万種類もあると言われるファイトケミカルの一つです。

ファイトケミカル(植物性化学物質)は、強い抗酸化作用があり健康に過ごすためには必要な成分です。

今回は、このクルクミンについてお伝えします。

まずは、ファイトケミカル

ファイトケミカルとは植物に含まれる化学成分のことです。
元々野菜や果物には、ビタミン・ミネラルといった身体に有効な栄養素が含まれていますが、ファイトケミカルもまた、健康維持に役立つことが知られています。

たとえば、赤ワインやコーヒーに含まれることで注目を集めた「ポリフェノール」もファイトケミカルのひとつです。クルクミンもこの「ポリフェノール」の一つです。

ファイトケミカルは植物中に、苦み、臭み、色素の成分として存在しています。
植物自身が紫外線や害虫から自らを守る防衛能力として作りだした成分なのです。
その防衛能力が人のからだにも良い影響を与えるのではないかと研究されてきています。

クルクミンの働き

クルクミンは、一種類の病気や特定の臓器に働きかけるだけでなく、消化器系・神経系・循環器系・皮膚など全身に良い働きをします。

中でもよく知られているのは、肝臓に対する働きです。
クルクミンの肝臓での働きは、肝機能・解毒作用の向上、胆汁の分泌促進・肝炎や黄疸の改善・肝障害の予防などがあります。
そのため深酒しても二日酔いになりにくく、また二日酔いになったとしても軽く済みます。
 
このようにクルクミンには、肝機能の改善作用がありますので、血中LDLコレステロール(悪玉)を減少させ、動脈硬化予防に繋がります。そして血栓形成が少なくなるので、血流も良くなり糖尿病の合併症予防にもなります。

また消化器系では、整腸や消化不良の解消などに効果的です。皮膚に対しては、紫外線によってできるメラニン色素を抑制し、シミを防いで健康的な肌を作ります。
 
クルクミンの作用の中で最近注目されているのは、抗がん作用とアルツハイマーに対する予防作用です。クルクミンは、様々な部位で発生するガンを予防することが確認されてきており、また神経細胞にも働きかけ、脳細胞の変異を予防することもわかってきました。

クルクミンを摂取するために

クルクミンを摂取するためには、日常生活に溶け込んだ「ウコン」を食べればいいと思っている方が多いと思いますが、それだけではそう多くは摂れません。

また、ウコンの種類によってはクルクミンを含まないものが多いのです。ウコンと名称が付いていても、本当のウコンではないものもあります。(紫ウコン、白ウコン、黒ウコンなど・・・。学名をみるとよく判ります。)

世界では50種類以上、東南アジアだけでも30種類以上あると言われているウコン。
ここでは、日本でよく知られているウコンについて紹介します。

秋ウコン
いわゆる「ウコン」と呼ばれるものは、この秋ウコンを指します。漢字では「鬱金」と書き、あざやかな黄色していて断面はオレンジ色です。
この色の成分「クルクミン」を多く含むのが秋ウコンなのです。

春ウコン
次にポピュラーなのは春ウコンでしょう。
別命キョウオウ(姜黄)と呼ばれていて中国では漢方として使われています。
なぜ秋とか春という呼び方があるのは花を咲かせる時期が違うからです。そして秋ウコンにはクルクミンを多く含みますが、春ウコンには多く含まれません。
その代わりに精油成分を多く含み、健胃効果や血圧低下などの作用があります。この意味から最近は、健康食品としての性格が強くなっています。


クルクミンを効率よく摂取するには、秋ウコンを原料にしたものが最適ということになります。

クルクミンの上限摂取量

ではクルクミンの上限摂取量はどれくらいでしょうか?
WHO(世界保健機構)で認められている1日の摂取目安量は、体重1kg当り0〜3mgです。
体重60kgの人なら180mg/日としています。これを越えると健康被害が起るのかというと、実際はほとんど問題がないと言われています。

クルクミンの臨床応用の可能性や、抗炎症作用・抗がん作用・抗アミロイド作用などが日々研究されており、2g/日を継続的に摂取する臨床研究でも副作用等の悪影響は認められていないと言う報告もあります。これは吸収率が良くないからとも言われています。

“では、たくさん摂取しても効果がない?”と思われるかも知れませんが、世界各国でクルクミンの抗がん作用に関する臨床試験などが行われており、吸収率は悪いながらもクルクミンの効果を認める結果が多数報告されています。

例えば、アメリカのテキサス大学MDアンダーソンがんセンターによると、すい臓がん患者25名にクルクミンを投与したところ21名が好転したという報告もあります。また、リウマチ患者に1200mg/日投与したところ、抗炎症薬に匹敵する抗炎症作用が認められています。

クルクミンの摂り方

摂取限度には、特に決まりはありませんが、より積極的に病気や体質の改善(例えば、ガン、抗がん剤や放射線による治療中の方、免疫力を高めたい方、肝機能の改善、アルツハイマーの予防、糖尿病の予防など)であれば、1000〜1500mg/日を目安にされると良いでしょう。

吸収率を高めるために、オメガ3やオリーブオイル、黒コショウと一緒に摂ると、より効果的です。

まとめ

インド人がアルツハイマー病を発症する確率は、アメリカ人の4分の1と言われています。
これはインドでカレーに使われるウコンの成分に含まれるクルクミンの作用による認知症予防効果かもしれません。ちなみにカレー1食分に含まれるクルクミンは約100mg程度です。したがって毎日10食分食べればいいのですが、現実的ではありません。ただ、インドでは、カレー以外にも香辛料としてターメリックを使うのでそれらが相乗的に作用し、認知症予防につながっているのかもしれません。

参考・引用文献等

  • 「植物ってえらい! 植物ってすごい! ファイトケミカルの話」茅 原紘(農学博士) 小國 親久(医学博士) 監修 発行 ライフサイエンス研究所
  • 「にんげんは なにで できているの?」
    久野マインズタワークリニック院長 久野則一監修 発行 ライフサイエンス研究所
  • 「食品成分表 増補版(五訂増補 日本食品標準成分表 準拠)」
    新しい食生活を考える会 編著  発行 (株)大修館書
  •  「日本臨床栄養協会 サプリメントアドバイザー必携 第3版増補」
    編集 日本サプリメントアドバイザー認定機構 発行 (株)薬事日報社
  • [免疫力を整えるために効果的な栄養素はファイトケミカル]
  • [クルクミン(特長・摂り方・注意すること)]
  • ウィキペディア クルクミン
  • 「Functional Food 27号Vol.9 No.1 2015 食品と疾病―クルクミン」 
    企画 大澤 俊彦 愛知学院大学心身学科教授  フジメディカル出版

文責:サプリメントアドバイザー 加藤 晴之

マイベストプロ神戸 ベストヘルスパートナー 加藤 晴之

「カテキンパワーで記憶力アップ」

「身体にイイお茶は、どんなお茶?」

「ブドウの栄養素 ファイトケミカル」

「デトックスに効果的な食材はファイトケミカルを多く含んだ野菜」

コラム:http://mbp-kobe.com/optimal/column/