ケトン食(≒超糖質制限食)

「いいものばかり」とは

 

ケトン食は、できるだけ糖質の摂取を抑える食事で、がん細胞の増殖を抑える効果のほか、ダイエットや美容、アンチエイジング、動脈硬化予防等にも効果が期待できます。
その原理や方法についてお伝えします。


できるだけ糖質の摂取を控える食事


・・・1日の糖質の摂取量を50g以下にするとケトン食になる。
いくつかのデータによると1日の糖質摂取量を50~80g以下にすると、主たるエネルギー源が、ブトウ糖からケトン体になり、がん細胞の増殖が阻止される。

炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
糖質 = 炭水化物 - 食物繊維

単純に炭水化物を制限すると食物繊維が不足する。
・・・積極的にきのこ類、海藻類を摂る必要がある。

ケトン体(≒ケトン)とは:
糖質をシャットアウトした時に脂肪酸を原料に肝臓でつくられる物質の総称
( ケトン体: アセトン、 アセト酢酸、 β-ヒドロキシ酪酸 )

 


(図:銀座東京クリニック 福田一典医師の了承を受け引用)

ケトン食がなぜがんに効くか 原理


  • ケトン体を増やせばがん細胞はケトン体を利用できないので、エネルギーが枯渇し死滅する。
    いっぽうの正常細胞はケトン体を利用(肝細胞は間接的に)できるのでエネルギーが枯渇することはない。
  • しかも、がん細胞の増殖を抑える効果は、血中のケトン体濃度に比例する。(古川健司医師のスタディによる)
  • 糖質を摂った時に分泌されるインスリンはがんを増殖させるが、ケトン体はインスリンを分泌しない。


図:銀座東京クリニック 福田一典医師の了承を受け引用)

★ 糖質(ブドウ糖)エンジンからケトン体エンジンに変える
正常細胞はケトン体をエネルギー源にできるが、がん細胞はケトン体をエネルギー源とできないため増殖できない(再発、転移が防げる)

ケトン体は無害

ケトン食を長期に実施しても安全であることが確認されています。
妊婦さん、子どもさんでもOK(多数データあり)

ただし
ケトン食禁忌:
1型糖尿病、脂肪酸β酸化障害、カルニチン欠損症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、ポルフィリン症の方は原則NGです。
(2型糖尿病、肝臓病、腎臓病の方は禁忌ではありませんが、主治医と相談の上実施してください)

どれだけ糖質を制限すればいいのか

(できるかぎり制限したほうがいいが、 例えば 体重が50~60Kgの場合)

■ 健康増進・病気予防・再発予防食として

【セミケトン食】
糖質摂取量<100g/日
(糖質からのカロリー摂取比率が20%以下)

■ 治療食として   (目安・・・ 1日の糖質摂取量 <50g)
◯ 再発・転移のリスクが高い・・・病勢がまだ不安定

【ケトン食】
糖質摂取量<50g/日
(糖質からのカロリー摂取比率が10%以下)

◯ 再発、転移している・・・病勢が極めて不安定
↓ 
【スーパーケトン食】
糖質摂取量<25g/日
(糖質からのカロリー摂取比率が5%以下)


食材や食事の糖質量を知るには、 『食品別糖質量ハンドブック』 江部康二医師(洋泉社) が便利です。
糖質摂取量やカロリー摂取比率は体重にもよりますので、おおよその目安と考えてください。

治療食として効果が期待できる目安・・・
ケトン体の血中濃度>1000μM/L  (ちなみに基準値は130μM/L 以下です)
・・・したがって、できればケトン食に理解ある主治医にチェックしてもらうことが望ましい。

【 閑話休題 】  食にまつわる世界の潮流

昨今、腸内環境(腸内常在菌)の解析方法が格段に進歩したことにより、腸内環境が、私たちの健康や病気、寿命へ及ぼす影響が次第に明るみになるにつれ、特に食と健康長寿について、多くのことが確認されつつあります。結論を箇条書きしますと・・・
  • 野菜はできるだけ多く摂ったほうがいい
    ただし根菜類とイモ類は摂りすぎてはいけない (糖質過多に留意)
  • 食物繊維をたくさん摂る・・・海藻、きのこ
  • タンパク質は適度に摂る(特に高齢者はあまり控えてはいけない)
  • 脂肪はいい脂肪を選んで適度に摂る(選べば脂肪は悪ではない)
    オメガ3は積極的に摂る 中鎖脂肪酸油(MCTオイル)はいいエネルギー源になる
    ただし、動物性脂肪(長鎖)とオメガ6は控える
  • 糖質(糖類)を控える

世界保健機関(WHO)も「1日の糖類の摂取量を25g以下にすべき」と糖質の過剰摂取に警鐘を鳴らしています。
糖類とは:単糖類(ぶどう糖、果糖)+二糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖)。糖質から多糖類・糖アルコールなどを除いたもの。
いわゆる主食は必ずしも必須ではない。

今後、セミケトン食が健康長寿食の1つの潮流になることは間違いなさそうです。

タカラバイオをはじめ多くの会社が腸内環境(腸内細菌叢)チェックのサービスを始めました。(データ集積は今からでしょうが)
利用してみるのも一法かもしれません。

ケトン食をスタートするには、次の1.2.3.・・・意外に簡単です

  1. 糖質を控える(手っ取り早いのは主食と間食を控える)
       ⇒   ブドウ糖エンジンをやめる
  2. 中鎖脂肪酸を摂る(1日60~80ml・・・1回20mlまで)
       ⇒   ケトン体エンジンにシフト
  3. ベースサプリで栄養保険をかけておく
       ⇒   栄養素は変わらず確保する

    ※ 念のため尿中のケトン体をチェック・・・試験紙の購入は薬局や通販で
    ※ できれば主治医に血中濃度を測定してもらう。
    ※ 糖尿病治療中(服薬中)の方は血糖値と一緒に測定してもらう。

積極的に摂っていいもの
(特に制限なし)

野菜(葉もの)
海藻
きのこ
大豆食品(豆腐や納豆・・・)
ナッツ
アボカド
魚介類、卵、鶏肉
水、お茶、コーヒー、紅茶

摂っていいが少なめに

肉 (1週間に500g以内)
乳製品
果物
根菜類、イモ類
・・・・・・・・・・
蒸留酒(ウイスキー、焼酎など)
・・・もちろん控えめに
・・・・・・・・・・
ニンジンジュース (少なめに)
※ニンジンジュース100mlに7~8gの糖質が含まれますので、1L飲むとそれだけで糖質70~80gとなってしまいます。

基本的に摂らない
(健康増進・病気予防・
再発予防の場合は△)

主食(ご飯・パン、麺、ピザ、ナン)
菓子・スイーツ類
加工肉
・・・・・・・・・・
ビール、日本酒、ワイン
牛乳、乳酸飲料
スポーツドリンク
ジュース類
・・・・・・・・・・
※ご飯1杯(約150g)は約50gの糖質が含まれます。
※コンビニのおにぎり1個:糖質約30g
食パン1枚:糖質約20g

※主食の代用品を活用するのも一法 (市販されています)
低糖質米、低糖質ふすまパン、低糖質麺
※甘味が足りない場合は
エリスリトール(羅漢果)、ステビア(甘草)

【参照】
食品成分データベース(  http://fooddb.mext.go.jp/  )
※上記サイトで検索結果を表示後、表示成分選択で、食物繊維量が表示されます。
糖質 = 炭水化物 - 食物繊維

 

補足

  • 3食の主食をやめれば、それだけでスムーズにセミケトン食(1日糖質量100g以下)になります。
  • あと、イモ類、根菜類、菓子・スイーツ類を控えると、ケトン食(1日糖質量50g以下)になります。
  • 減らしたカロリーは中鎖脂肪酸油で補えばOK。

    中鎖脂肪酸油 ・・・ MCTオイル(Medium-Chain Triglyceride)
    ※スーパー、通販で買えます。
    ※MCTオイルは無味無臭です。
    ※1回の摂取量は20mlまで・・・1度に30ml以上摂ると腹痛や下痢が起こることがあります。
    ※1日3~4回を目安に
    ※MCTは熱に安定なのでサラダ、コーヒー、味噌汁・・・に入れてもOK
ほぼこれでケトン食はOKです。

そして、
・食物繊維が不足するので・・・ きのこ類、海藻類を多めに摂る。
・タンパク質を意識して摂る・・・魚、大豆製品、卵を意識的に多めに
・いい脂肪を摂る・・・相乗効果をねらって、オメガ3(亜麻仁油、クリルオイル、魚油)を多めに摂る。
・ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルが不足するので・・・ベースサプリをしっかり摂る。
・便秘になりがちなので・・・プレバイオティクスをしっかり摂る。

注意点

  • ブドウ糖エンジンからケトン体エンジンに切り替わる1~2週間の間
    一過性に、倦怠 脱力 お腹のはり 便秘 腹痛・・・などの症状が現れることがあります
  • 肝機能チェック
    ごく稀に、中鎖脂肪酸で肝機能障害が現れることがありますので、できれば定期的に肝機能チェック(血液検査)を受けることが望ましい
  • インスリン抵抗性を防ぐ
    全く糖質摂取を≒ゼロにした場合、肝臓や筋肉でインスリンが十分に働かない「インスリン抵抗性」が生じることがありますので、1~2週間に1食程度は、適宜(糖質50gくらい)は摂っておく
  • ケトン食はケトン食だけで完結するものではなく、あくまでもセルフ治療の一環です。
    したがって、生活の『リズム』、『メンタル』、『運動』にまつわることも合わせて実践してください
  • ケトン食禁忌に該当する方はNGです。

どんなステージでもOK

がん性悪液質を改善
抗がん剤や放射線治療の効果を高める(相乗効果)

健康増進や病気予防にもOK

ケトン食 他の効果
ダイエット(減量)、美肌・美髪、筋力アップ、アンチエイジング、動脈硬化予防 
高血圧、2型糖尿病、認知症、自閉症、神経変性疾患、うつ 

参考・引用文献等

  • 『食品別糖質量ハンドブック』 江部康二医師 (洋泉社)
  • 『ケトン体食事法』 福田一典医師 (洋泉社)
  • 『ケトン食ががんを消す』 古川健司医師 (光文社)
  • 『ケトン体ダイエットレシピ』 宗田哲男 (扶桑社)


「いいものばかり」とは