腸内環境は大切・・・
腸内環境がさまざまな病気の発症と大きく関わっていることは、もはや常識と云っていいでしょうが、あわせて、病気の治りやすさ、薬の効き、そして健康寿命にも大きく関わることもよくわかってきました。
本庶佑博士のノーベル賞受賞で、にわかに知名度が高まった薬、免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボなど)は、よく効く人とそうでない人がいますが、その違いの1つの要因として、腸内の特定の細菌の多寡によることが明らかになりました(下図)。
検査方法の急速な進化
また、次世代シークエンサーの急速な進化により、自身の腸内環境、すなわち腸内細菌の組成、その多寡、多様性が容易にわかるようになり、自身の腸内細菌叢を知り、それを健康チェックの1つのツールとすることが半ば日常になりつつあります。なぜなら、腸内環境は、生活習慣、特に食生活によって容易に改善できることもよくわかってきたからです。たとえば、食物繊維をより多く摂ったり、食用油を変えたり、糖質制限をするだけでも、腸内細菌の組成が改善されます(下図)。
定期的に自分の腸内環境をチェックして生活習慣の答え合わせを
さらに歯周病(日本人の約7割が歯周病・・・日本歯周病学会)を是正することによっても、腸内環境が改善されることも最近明らかになっています。 定期的に自分の腸内環境をチェックして生活習慣の答え合わせをし、そのつど修正しながら生活習慣を見直すことは、とても未来志向的な一健康法だと思います。ぜひご自身の腸内環境をチェックしてみてください。
・・・もちろん来春『腸内会』も予定しています。(きっと他ではやっていない、eクリニックならではの、ちょっと格調高い腸内細菌叢の勉強会)。新たな知見が続々と発表されていますので、ますます『腸内会』が面白くなるはずです。ぜひ楽しみにしていてください。
※図表は、実験医学増刊『腸内細菌叢 健康と疾患を制御するエコシステム』2019年から引用