今月の「よくある病気」のテーマは「便秘症」です。

『重症熱性血小板減少症候群』 ご存知ですか?

今月の「よくある病気」のテーマは「重症熱性血小板減少症候群」です。

『重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome : SFTS)

きっと聞いたことのない病名だと思いますが、意外に身近にある病気かもしれません…???
マダニに噛まれて運が悪いと命がなくなるかもしれない…って、どこかで聞いたことないですか?
これから、ハイキング、キャンプ…アウトドアレジャーに絶好の季節ですが…、日本中どこにでもいるマダニに咬まれないよう、くれぐれもご用心を!

Dr岡本

ではクイズです

『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』はマダニに咬まれて感染する怖い病気である?

そうなんです、SFTSは2011年、中国で流行する致命率の高い新規感染症として報告され、2013年1月には日本でもSFTSが流行していることが判明しました(以前からあったけれど気づかなかっただけかな)。

このSFTSはマダニが媒介する感染症で(マダニにSFTSウイルスが潜んでいる)、ヒトはマダニに咬まれて感染します(SFTSウイルスを持っているマダニは~5%ほど)。したがって季節的にはマダニが活動的になる春から秋にかけて流行します。

日本では毎年100人程度の患者さんがSFTSに感染していることが確認されています(実数はもっと多いと云われています)。
なんだ、たった100人ほどか…と思われるかもしれませんが、
もしも感染すれば致命率は25%を超えます!(なんと4人に1人以上が犠牲になる)、 つまり決して舐めてはいけない感染症なのです。

フタトゲチマダニ
(国立感染症研究所昆虫医科学部提供)
タカサゴキララマダニ
(国立感染症研究所昆虫医科学部提供)

この2種類のマダニがSTFSウイルスを媒介します。

※SFTS…マダニに噛まれて1-2週間くらいの潜伏期間を経て発症、症状は、発熱、全身倦怠感、下痢など、まるでインフルエンザみたいな感じでしょうか。その後、歯肉出血、下血、皮下出血、意識障害などの症状が出れば命が危なくなります。残念ながら決定打となる治療法はなく、対症治療しかありません。

※SFTSウイルス…最近はDabie bandavirusと言いますがSFTSウイルスの方がよく使われています

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