今月の「よくある病気」のテーマは「睡眠不足」です。
睡眠を削ると損をする!
睡眠を削って時間を作り、もっと仕事したり、もっと遊んだり…一見コスパがいいように見えるかもしれませんが、それは大きな誤解です!むしろ『春眠暁を覚えず』…これくらいの境地がいいのかもしれません。
みなさんもご承知のように、日本人は睡眠が不足していることで世界的に有名です。OECD(経済協力開発機構)の2021年の調査によりますと、日本人の平均睡眠時間は、7時間22分で各国平均の8時間28分より1時間以上短く、33か国の中で最も短いという結果になりました。
睡眠を削って頑張って…も ??? 結局はそんなにメリットはない、かえって心身に支障をきし、大損になりますよということはさまざまなデータからも明らかです。
さて、クイズです
睡眠不足でも腸内環境にはさほど影響がない?
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睡眠は、体のさまざまな生理機能の大切な調節を担っています。睡眠不足は、精神と身体の不調につながり、糖尿病や肥満などのさまざまな疾患のリスクを高めることがわかっていましたが、腸内細菌叢との関わりについて北海道大学は1つの明確なメカニズムを解き明かしました。 腸の細胞から分泌されるαディフェンシンは、腸内細菌叢の組成を調整し、腸内環境の恒常性を保っているとみられていますが、睡眠が不足すると著明にこのαディフェンシンの分泌量が低下し、腸内細菌叢を破綻してしまう…ことを明らかにしました。食事や運動などの生活スタイルも腸内細菌叢にも影響をもたらしますが、睡眠不足によるαディフェンシンの低下が腸内細菌叢の組成変化を引き起こし、大切な生理機能を乱してしまうことの影響も大きいとみています。