マスクについて、絶対におさえておきたい『知識』をクイズで学びましょう!
さあチェレンジ!
(問題をクリックすると答えが表示されます。)
マスク着用はインフルエンザや風邪の予防になる?
マスクが飛沫による呼吸器感染症のリスクを有意に低下させることは実証済みですね。
マスク着用は新型コロナ感染症の予防にならない?
いろんな論議がありましたが、やはり新型コロナウイルス感染症に対しても感染予防効果があるというのが一般的な見方です。新型コロナの致死率は日本がOECDの中で最も低いのですが、その理由の1つが国民のマスク着用率と考えられているのも査証の1つかもしれません。
マスクを着用すると体内は酸素不足になる?
健康な大人なら(呼吸器系や循環器系の思い病気がなければ)、マスクの中の酸素濃度はいくぶん低下するものの(10%くらい低下)、体内の酸素濃度は低下しないことが確かめられています。マスクをつけると酸欠になると危機をあおるコメントがSNSなどで見受けられますが、事実ではありません。
運動時にマスクを着用すると酸素不足になりやすい?
日常生活はもちろんですが、健康な大人が激しい運動をしても、意外にも酸素不足にはならないことが確かめられています。ただ、肺気腫などの重い呼吸器疾患や循環器疾患があって心肺機能が低下している人がマスクを着用すると酸素不足に陥るかもしれません。
高齢者がマスクを着用すると酸素欠乏になりやすい?
これも意外な事実かもしれませんが、呼吸器疾患や循環器疾患のない健康な高齢者に関しては、少なくとも日常生活や軽い運動で酸素欠乏に陥ることはないようですね。
マスクを着用すると二酸化炭素中毒になる?
マスクをしていると吐いた息(呼気)の一部を再び吸う(吸気)ことになりますので、マスク内の二酸化炭素の濃度がいくぶん高くなりますが、健康な大人に関しては、体内の二酸化炭素濃度が高くなることはありません。
子どもはマスクを着用するとデメリットが大きい?
肺機能が十分に発達していない(呼吸器の空気の通り道は狭いので、マスクは呼吸をしにくくさせ呼吸や心臓への負担になる)乳幼児や低学年の小児のマスク着用は、大人と違って、低酸素のリスクや嘔吐の際喉に詰まるリスク、表情が読み取れないリスクなどもあり、総じて、マスク着用によるデメリットのほうが大きいと考えられます。高学年からならマスクをつけるメリットはあるかもしれませんね。
長時間マスクを着用すると長期的には防衛体力が低下する?
長期にわたってマスク生活を続けていることにより、大人もそうですが、特に子供たちは水痘(みずぼうそう)やムンプス(おたふくかぜ)、手足口病といった『かかっておくべき病原体』と接触する機会を奪われるので、長い目でみるとデメリットが大きいと考えられます。なぜなら、私たちは、自然環境や動物などに接することで、様々な菌やウイルスを体になじませ、潜在的な免疫力を向上させるからなのです。
マスクを着用すると、鼻腔や口腔の温度・湿度が有意に上昇する?
もちろん、マスクを着用すると鼻腔や口腔の温度・湿度が上昇、つまり高温多湿の環境になります。そのために細菌や真菌が増殖しやすくなります(湿疹やにきびなどが増える・・・)、いっぽうで、高温多湿が鼻腔や口腔の乾燥を防ぎ、気道の繊毛細胞の活性をキープしてくれるので、喀痰などの異物排出の促進などメリットもあります。
マスクを着用すると口呼吸になりやすい?
マスクをすると熱がこもって苦しくなり、ついつい吸い込みやすい口で息をしたくなります。口で呼吸をするとウイルスがそのまま身体の中に入ってきますから、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。さらに、口が乾燥します。それによって虫歯や歯周病の原因になるプラーク(歯垢)が増えてしまいます。歯周病も血管障害や糖尿病などにつながっていきます。
まとめ
成人(高齢者も含めて)ではマスク着用下での日常生活はもちろん、運動負荷時でも影響はない。
しかしCOPDなど肺機能が低下している場合には呼吸困難など影響が出る可能性がある。
さらに低学年までの子どもにとってはマスク着用はむしろ危険となる可能性がある。
・・・理由は、身体の成長、発育段階にある小児では、特に全力走などの負荷が加わった場合には、危険なリスクとなる可能性が高いから。
マスクは、メリット、デメリットをふまえながら、TPOに応じた賢い着用が望まれる
Facemasks and cardiorespiratory response to physical activity in health and disease.
Ann Am Thorac Soc. 2020 Nov 16. DOI: 10.1513/AnnalsATS.202008-990CME.
番外編
マスクを着用すると熱中症になりやすい?
△:意外にも・・・、これまでの研究ではマスクを着用した状態と着用していない状態で体温を比べるとマスク周辺以外ではほとんど変化がなく、体の深部温度についても0.06度から0.08度の上昇にとどまり、熱中症リスクの目安とされる1度の上昇までは至っていなかったということです。
つまり、熱中症のリスクを高めるのは、マスクを着用しているかどうかよりも、気温の高さや水分補給の有無のほうが大きいようです。
マスクを着用することでのどの渇きに気がつきにくくなり、水分補給の回数が減ってしまうおそれがある。熱中症は体温の上昇と脱水で起こるとされるので、水分補給が減って脱水症状に近い状態になると熱中症のリスクは高まる。マスクを着用しただけで熱中症のリスクが著しく上がるとは考えにくいけれども、マスクを着用して強めの運動をした場合などには熱中症のリスクにつながるかもしないということでしょうか。